『いくお〜る』誌上の「図書紹介」がウェブにも登場しました! ここでは聴覚障害関連の書籍をご案内しております。

日本語字幕付きのDVD(ビデオ)、聴覚障害者役が出ている作品も少しずつご紹介します。

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BOOK

4月号(No.78)掲載

2月号(No.77)掲載

10月号(No.75)掲載

8月号(No.74)掲載

6月号(No.73)掲載

4月号(No.72)掲載

2月号(No.71)掲載

12月号(No.70)掲載

10月号(No.69)掲載

8月号(No.68)掲載

6月号(No.67)掲載

DVD

ろう者役のある作品

日本語字幕付き作品

 2007年8月号(No.74)掲載
よく似た日本語とその手話表現1 よく似た日本語とその手話表現 1〜2
脇中起余子/著 354-6頁 北大路書房 各2,100円

 日本語文にはいろんな意味がある。それに適した手話表現方法もいろいろある。例えば「(自分の意思で)聞かない」「聞いていない」「うるさくて聞こえない」「耳が聞こえない」「(聞くことができず)聞けない」…。あなたはいずれも同じ手話で表していないだろうか。
 本書は言語としての日本語の豊かさ、微妙な違いを、手話で指導可能にするもの。主述の関係表現、位置表現は、日本手話ではできていたものを取り入れているようだ。手話表現イラストの充実等、改良が必要な点もあるが、これまで類書のなかった分野と高く評価したい。(O)

よく似た日本語とその手話表現2
字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ 字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ
太田直子/著 219頁 光文社新書 735円

 映画字幕翻訳歴約20年、手がけた作品は1,000本を越える著者が、外国映画翻訳の舞台裏や、気になる日本語について綴った書。普段お世話になっている映画の字幕がふと気になった方、日本語と手話の狭間で身もだえしている方も必読。
 混ぜ書きや、やたら「お」と「さん」をつける、「させていただく」、垂れ流し的メール文等、今の日本語に対する違和感を著者流言辞で切りまくる。
 「ざる知識のススメ」「文脈の壁」「教養の壁」「流行の壁」などのあたり、「我が意を得たり」と思う手話通訳者も多いのでは?(MI)

ヘルプマン! ヘルプマン! 1〜8
くさか里樹/著 187-255頁 講談社 各540円

 介護事業に関わる百太郎と仁。若い二人が介護の現場で出会う、様々な問題を描くコミック。特に5〜7巻の介護支援専門員編で、利用者の幸せを追求することで出会う矛盾やトラブルの数々、利用者不在の制度の実態には大変憤慨させられる。
 最近介護報酬の不正請求と、問題のあった会社をつぶして別な子会社が引き継ぐという、このコミックの内容を地でいくような事態が起きている。テレビの音を大きくしているため、近隣住民から騒音の苦情が出ている聴覚障害のおじいさんも登場する。私たちにとっても無関心ではいられない問題だ。(O)

龍の耳に生きる 龍の耳に生きる
 
ろう者と健聴者がともに楽しめる演劇
大原秋年/著 325頁 新風舎 890円

 月の砂漠を はるばると
 旅のらくだが 行きました
 映画「四つの終止符」のラストシーンにある晋一と幸子が歌った「月の砂漠」である。昔、私は地域でその上映運動を展開していた。そのシーンは今でも脳裏に焼き付いている。その「四つの終止符」を監督した大原秋年は、ろう者の問題に関わるほどろう社会の裏へのめり込んでくる、異色を放つ演出家である。
 挫折しながらも、底辺で生きるろう者のために社会に訴えていく覚悟を持った演出家のドキュメントには胸が騒ぐ。第27回新風舎出版賞ノンフィクション部門最優秀賞受賞作品。(M)

もっとトモダチになる 簡単 手話の本 もっとトモダチになる 簡単
手話の本
手話普及研究会/編 井崎哲也・廣川麻子/監修
157頁 学習研究社 1,260円

 「手話をもっと身近な存在にしたい」「相手に伝えたいという気持ちを大切に手話したい」という思いで活動する、「手話普及研究会」がまとめた手話の入門書。日常生活に即した手話を、気軽に表せるように作成されている。若者言葉の「最高!」「最低」「マック」「スタバ」「星座の表現」などの単語も取り上げられており、中・高校生に受けそうだ。手話表現はすべて手書きのかわいいイラストで、赤黒2色印刷。収録単語数約450、文例数約260。本書で手話に興味を持ってくれたら、次はぜひ聞こえない人とのコミにチャレンジを!(O)

映画字幕五十年 映画字幕五十年
清水俊二/著 398頁 ハヤカワ文庫 777円

 「清水俊二」。映画好きな方なら何度か目にしたことがあるのではないだろうか。「真昼の決闘」「殺人狂時代」「誰が為に鐘は鳴る」「ライムライト」「ナイヤガラ」「麗しのサブリナ」等々の数々の古典的な名作で、エンドロールが終わった最後に画面下に出てくる名前だ。1931年以来、約2,000本の映画字幕を手がけてきた著者が、ぶっきらぼうにも見える語り口で振り返る半世紀。字幕草創期の話、戦前のニューヨークでの生活、映画産業全盛期の話など興味深い。映画の字幕スーパーの歴史を知ることのできる、トップクラスの資料。(MI)

金魚奏2 金魚奏2
ふじつか雪/著 191頁 白泉社 410円

 耳の聞こえない和太鼓奏者の大学生・雅生にひと目ぼれした女子高生飛鳥のラブストーリー。その後雅生と同じ大学を受験するが…。前回紹介の1巻に続き、今回完結編。
 ラストで太鼓の音が雅生に聞こえたというシーンにはちょっと驚き。聞こえないなら太鼓の音も聞こえないでしょ、とか思われがちだが、実際聴力の程度によっては聞こえるものだ。ましてや一番聴きたいと思う音ならなおさらだからだ。とはいえできすぎた設定ではあるが、少女マンガならでは、と笑ってすませておこう。巻末オマケも楽しい。(O)

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