【2006.9.29】オ〜ガワのコラム 第12話
視線を写す写真家
8月4日、後藤田三朗(みつお)さんが編集部に来所。
後藤田さんは3歳の時に失聴。プロの写真家として活躍しておられます。
最近「のぞく」という本の写真を担当。
これが、とてもユニークな本なのです。
タイトルの通り、のぞき穴を数多くちりばめて、いろいろな楽しみ方ができるようになっています。
文を書いた天野さんは「広告批評」の創刊者で、著名なコラムニストということもあり、増刷を重ねすでに2万部を超えているそうです。
鉄道写真家の第一人者として活躍されている持田昭俊さんから「おもしろい本があるよ」とご紹介いただいて、
「いくお〜る」8月号(No.68)の新書紹介に掲載しました。
そのお礼にとおいでくださったとのこと。
わざわざご丁重にありがとうございます。
持田さん、すてきなご縁をいただきました。
来所途中で新宿駅頭で撮影したという写真を数点見せていただきました。
プロの生写真を見せていただくとはちょっと恐れ多い気もしましたが、
お言葉に甘えて拝見させていただきました。
これが、いずれも人の視線を感じる作品ばかり。
バス停のようなところで、バスの来る方向を見ているらしい女性、
大きなビニールバッグに描かれた人の顔のイラスト、
どこか中空を見つめている女性。
全ての写真が、徹底して人の視線をとらえているのです。
思わず「何を見ているの?」と、気になってしまいますよね。
さすがは「のぞく」の写真家だなあと思った次第です。
聴覚障害者は、人とのコミュニケーションが必要な人物写真は難しいと
いわれているそうですが、後藤田さんの人物写真は、人そのものよりも、
人の視線を撮影しているところに特長があると感じました。
「なぜ視線なの?」と理由を聞くのは忘れましたが。今度お会いしたら、
ぜひ聴いてみたいと思います。
気取らず飾らず、いろんなものに対して好奇心いっぱいの後藤田さん。
またおいでくださいね〜。
(9/29記・OGAWA)
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